いまや結婚式には欠かせないセレモニーのひとつとして挙げられる、感動にあふれたキャンドルリレー。
しかし、この美しいセレモニーは決して簡単に生まれたものではありませんでした。
カメヤマ社員が発案した当時の開発秘話をご紹介します。
それは、今から50年ほど前にさかのぼります。そのころすでに欧米に向けて商品を展開していたカメヤマキャンドルハウス。海外の取引先の方から聞いたり駐在スタッフが実際に見たりした、キャンドルを灯すカップルの姿と、たくさんのキャンドルが灯るウェディング会場に集う人々の笑顔。そんな幸せに満ち溢れたワンシーンを日本中のカップルそしてご両家に届けたい、という想いからキャンドルサービスというスタイルが誕生しました。
キャンドルサービスはその後、全国の会場スタッフの皆様の協力を得て、日本中に広まっていきました。全盛期のころは90%以上の方にキャンドルサービスを利用していただき、メモリアルキャンドルに点火し永遠の愛を託すといった、私たちの“想い”そのものの形で行われていました。しかし、時代とともにキャンドルサービスに替わるものをと考えられた、さまざまな演出が誕生。その結果、キャンドルの炎に秘められた“尊さや想い、そして願い”を伝えたいという私たちの気持ちとは裏腹に、結婚式を盛り上げるための“演出のひとつ”として扱われるように...。
そして、本来の意味や価値が伝わっていない現状を感じるとともに、ある媒体には魅力が薄れてきたなどと書かれてしまうこともありました。
キャンドルを中心として新郎新婦、ゲストの方々の気持ちが一体になれるようなものはないだろうか? 社内でミーティングを繰り返すもアイデアは浮かばず、悶々とした日々を過ごしていました。そんなある日、教会のミサに誘われ参加することに。祭壇の灯火(ともしび)が参列した方々の手から手へとリレーのように灯される神聖な儀式が始まり、厳かな賛美歌が響く中、私の手へと灯火が届いたとそのときです。見慣れているはずの灯火であるにもかかわらず、言いもあらわせぬ感動が私を襲い、啓示を受けたような衝撃をとともに、ジーンとこみ上げてくるものを感じたのです。
「これだ!」
私たちの想いが込められ、かつ、多くの人に伝える価値を持つ、探し求めていた“何か”を確信した瞬間でした。